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Micrometerでメトリクスを収集してAmazon Cloud Watchで可視化する

仕事でMicrometer使う機会が出来たので触ってみました。

Micrometerとは?

Micrometerとは、Pivotal社が作っているJVMベースのアプリケーションのためのメトリクスライブラリです。メトリクスの収集とモニタリングシステムへの通知を行います。
メトリスクの収集(micrometer-core)とモニタリングシステムへの通知(micrometer-registry-xxx)が切り離されているので、モニタリングシステムに依存しません。

Micrometerを使う上で押さえておくべきクラス

  • Meter
    メトリクスの集合を表すクラス。収集方法ごとにクラスがあります。主に使うCounter、Gauge、Timerについては少し詳しく書きます。(Timer, Counter, Gauge, DistributionSummary, LongTaskTimer, FunctionCounter, FunctionTimer, TimeGauge)

    • Counter
      固定値が増えていくような計測に使う。
    • Gauge
      現在の値の計測に使う。実行中のスレッド数を計測するときなど。
    • Timer
      イベントのレイテンシや頻度の計測に使う。指定期間内の合計時間やイベント数を計測するときなど。
  • MeterRegistry
    Meterを管理するクラス。モニタリングシステムごとに実装があります。
  • MeterBinder
    メトリクスを収集する方法を登録するクラス。収集対象ごとにクラスがあります。

ネーミングルール

Micrometerのメトリック名は小文字でかつドットつなぎでつけます。(例:jvm.memory.used)
モニタリングシステムに送る際にMicrometer側でそれぞれのモニタリングシステムのネーミングルールに変換して送ります。

Prometheus - http_server_requests_duration_seconds
Atlas - httpServerRequests
Graphite - http.server.requests
InfluxDB - http_server_requests

Spring BootでMicrometerを使う

Spring Boot2.0からメトリクスAPIを提供しなくなりました。代わりにMicrometerを使うようになりました。Actuatorを依存関係に追加するだけでMicrometerが使えるようになります。 Spring Boot 2.0 リリースノート
Spring Boot 1.5.xではMicrometerを依存関係に追加すれば使えます。

デフォルトで使えるモニタリングシステム

Runtime時にこれらの全モニタリングシステムの設定をAutoConfigurationで設定します。

  • Atlas
  • Datadog
  • Ganglia
  • Graphite
  • Influx
  • JMX
  • New Relic
  • Prometheus
  • SignalFx
  • StatsD
  • Wavefront

その他の対応しているモニタリングシステム

  • AppOptics
  • Azure Monitor
  • Cloud Watch
  • Dynatrace
  • Elastic
  • Humio
  • Kairos
  • Stackdriver

サポートしているメトリクス

  • JVMメトリクス
  • CPUメトリクス
  • ファイルディスクリプタメトリクス
  • Logbackメトリクス
  • Uptimeメトリクス
  • Tomcatメトリクス
  • Spring Integrationメトリクス

デフォルトだと /actuator/metrics を叩くと利用可能なメータを確認することができます。

メトリクスを収集してAmazon Cloud Watchに送る

今回の技術スタックはこんな感じです。

Spring Boot 2.1.3
Amazon Cloud Watch

依存関係を追加

dependencies {
    implementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-actuator'
    implementation 'org.springframework.cloud:spring-cloud-starter-aws'
    implementation 'io.micrometer:micrometer-registry-cloudwatch'
}

設定を追加

management:
  metrics:
    use-global-registry: false
    export:
      cloudwatch:
        namespace: Micrometer/test
        enable: true
        step: 1s
cloud:
  aws:
    stack:
      auto: false
    region:
      auto: false
      static: ap-northeast-1

management.metrics.use-global-registry=false でデフォルトで使える全モニタリングシステムを無効にします。
management.metrics.export.cloudwatch.namespace=Micrometer/test ネームスペースを Micrometer/test にします。
management.metrics.export.cloudwatch.enable=true MicrometerでCloud Watchを使うための設定をAutoConfigurationで設定してもらいます。
management.metrics.export.cloudwatch.step=1s メトリクスの収集間隔を1秒にします。

cloud.aws.* は、spring-cloud-awsを使っているアプリケーションをローカルで起動するための設定です。spring-cloud-awsは、S3やCloudFormationなど様々なサービスと連携します。AWS環境でアプリケーションが起動していない場合、Exceptionを投げれられてアプリケーションが起動しません。
cloud.aws.stack.auto=false CloudFormationとの連携を無効にする。
cloud.aws.region.auto=falsecloud.aws.region.static=ap-northeast-1 EC2のメタデータからリージョンを自動で取得せずに ap-northeast-1 をリージョンに指定しています。

Elastic Beanstalkにデプロイ

Coineyでは、Elastic Beanstalkを使っているので同様の環境にデプロイします。デフォルトで55個のメトリクスが収集されます。

default_metrics

独自Metricsクラスを実装

management.metrics.enable.xx=false のように書くことで不要なメトリクスを収集しないようにできます。(xxは、メトリクス名のプレフィックスでjvmやtomcatなどがあります)

今回は、ヒープの使用量のメトリクスを収集する独自Metricsクラスを実装します。

@ConditionalOnAwsCloudEnvironment
@Component
public class HeapMemoryUsageMetrics {
  public HeapMemoryUsageMetrics(MeterRegistry registry) {
    Gauge.builder("HeapMemoryUsage", this, HeapMemoryUsageMetrics::invoke)
      .tag("InstanceId", EC2MetadataUtils.getInstanceId())
      .baseUnit("bytes")
      .register(registry);
  }
  private Long invoke() {
    MemoryMXBean memoryMXBean = ManagementFactory.getMemoryMXBean();
      return memoryMXBean.getHeapMemoryUsage().getUsed();
  }
}

特に難しいことはしていないです。 AWS環境以外では、このクラスのインスタンスをBean登録する必要がないので、 @ConditionalOnAwsCloudEnvironment をつけて、AWS環境のときのみBean登録します。ちなみに、 @ConditionalOnAwsCloudEnvironment は、EC2のメタデータからインスタンスIDを取得できたらAWS環境とみなしているようです。

先ほどと同様にElastic Beanstalkにデプロイして、 Cloud Watchで確認すると、メトリクスが送られていることが確認できます。

custom_metrics

今回実装したコードは、 GitHubにおいてあります。